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新型コロナ後遺症:倦怠感について


2023年3月10日更新

中東遠総合医療センター 総合内科 漢方外来 大瀬綾子

新型コロナの感染後に、「少し外出しただけで半日寝込んでしまう」など強い倦怠感が続くことがあります。「疲れやすい」「微熱や息切れが続く」「夜寝ていると息苦しくなって目が覚める」など様々な症状で来院するケースが増えています。
漢方外来では、こうした症状の治療を行っています。体調に応じて、再診時からはZoom診察も併用しています。(完全予約制です。)
※漢方治療には実際に診察することが必要です。完全なオンライン診療は行っておりません。

【倦怠感の特徴】 

「その時は動ける」のですが、数時間から半日ほど後に「時間差で」しんどくなります。
無理をすると「寝たきり」状態になることがありますが、休めば少しずつ回復します。
  • 活動は、後でしんどくならない程度におさえましょう
  • 「休めば休むほど早くよくなる」と考えましょう
  • 十分な休養をとれば、少しずつ活動量を増やしていくことができます

【横になって休憩しましょう】

座っている、立っている、など頭を起こしている時間が長いほど、倦怠感や頭痛などの症状が出やすくなります。横になる、座って机の上に突っ伏す、など頭の重さを逃がす姿勢をとると症状が和らぐことが多いです。
調子がよい時でも、休憩しながら休み休み動くと、後の倦怠感が軽くすむでしょう。
重い物を持つ、筋トレをする、など筋肉に負担をかけると、後で倦怠感が強くなったり、筋肉痛やしびれが出ることがあります。
十分に回復するまで運動や散歩は控えましょう。

【入浴、洗髪は控えめにしましょう】

入浴やシャワーはかなりエネルギーを使うので、控えめにしてください。
  • 軽く身体を拭くだけにする、数日おきのシャワーのみにする
  • 湯船につかるときは2~3分にする
  • 洗髪回数を減らし、ドライヤーも可能ならば人に乾かしてもらってください

【日によって動ける量が違います】

倦怠感は、天気やストレス、女性の場合は月経の影響を受けることがあります。
雨の前日や当日、ケンカの後や心配ごとがあるときなどに、一時的に症状が強く出ても、それがずっと続くわけではありません。
「調子のいい時も悪い時もあるのだ」と知っておいてください。

【早く回復するためにあなたができること】

後遺症は「病気」です。夜更かしをしてジャンクフードを食べるのと、早寝早起きをして健康的な和食をとるのと、どちらが早く病気が治るかは明らかです。
  • 睡眠は、最低8時間、できれば10時間、理想は12時間
  • スマホやゲーム、PC、TVは就寝の3時間前、最低でも1時間前にはやめてください
  • スマホやタブレットは寝室の外に置いてください
  • 避ける、控える : ジャンクフード、ファストフード、脂の多い肉や揚げ物、冷たい物
  • たくさん食べる:野菜(みそ汁や煮物、おひたし、野菜炒めなど、火を通した野菜)、豆腐納豆などの豆製品、魚、海藻、きのこ類、いも類など(詳しく知りたい場合は、「まごわやさしい」のキーワードで検索してください)
  • メンタルを維持しましょう:コロナに感染した後、不眠や気分の落ち込みが続くことは珍しくありません。音楽、人との雑談など、ささやかに好きなことを楽しむ姿勢を持ちましょう。
  • 1日に1回は、1~2分でも外に出て日光を浴びるのもよいでしょう。
  • 専門家の助けが必要だと判断した場合は、心療内科や精神科にも紹介しています。

【治療期間の目安】

初診時に仕事や学校に行けず、車の運転や散歩もできないか、やってみると寝込んでしまうような状態の場合、約3ヶ月治療すると、日常生活が普通に送れるようになる、短時間のデスクワークや通学を開始できる、などワンステップ上がるイメージです。症状の重さや、仕事や通学の負担の大きさなどにより個人差があります。

【復帰する時が要注意】

回復してきて学校や仕事に復帰するとき、いきなりフルタイムで戻ると負担が大きく、しばらく勤務したが再び休職するケースがあります。復職前に学校や職場と相談して、まず短時間で、かつ軽めの作業から始めることをすすめます。5日連続ではなく、まずは1日おきに登校/出勤するのもよい方法です。

【漢方薬の味や、粉薬が苦手な場合】

①オブラートに包んで飲む 
②メープルシロップやおくすりゼリー、ジャム、クリーム類などに混ぜる
③少量のポットのお湯と漢方薬を入れ、2-3分後にかき混ぜてスプーンで飲む
④マグカップや湯呑みに底から3cmくらいの水と、漢方薬を入れて電子レンジで5~10秒チンして(熱くなるので注意)、コーヒーや緑茶などを混ぜて飲む
⑤ココア、お茶、コーヒー、カルピス、ジュースなどで飲む
⑥市販の薬用カプセルに詰めて飲む

【漢方外来からのメッセージ】

後遺症は治ります。あなたの身体には治る力がちゃんと備わっており、日々治ろうとしています。
休養と治療によって、ゆっくりとですが回復する人が増えています。
一緒に根気よく取り組んでいきましょう。

【受診に関するお問い合わせ】(完全予約制です。)

受診に関してのお問い合わせは下記までお願いします。
月曜日~金曜日:8時15分~17時00分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)

中東遠総合医療センター 地域医療支援センター 
0537-21-5555(代表)/ chikirenkei@chutoen-hp.shizuoka.jp