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核医学(RI)検査


核医学検査について

核医学検査とは、ガンマ線という放射線を出す少量の薬-これを「放射性医学品」と言います-この薬を静脈から注射し、検査用のベッドの上で静かに横になっている間に、シンチレーションカメラ(SPECT装置)という特殊なカメラで体のなかの様子を調べていく検査です。
多くの場合、20~50分程度の撮影になります。
静脈から注射するほかに、薬によってはカプセルを飲んでいただくものや、呼吸によって吸入していただくものなどがあります。

検査装置について

当院では、平成29年3月より新しいシンチレーションカメラが稼働いたしました。
今回の装置はSPECT装置にCTを搭載させた構造です。PET/CTと同様、シンチグラフィーの機能画像にCTによる解剖学的画像を重ね合わせ、位置情報を正確に把握する事で病変部描出能が向上しました。
今回「XSPECT-BONE」という新技術搭載装置により、SPECT画像の品質が大幅に向上し核医学画像診断の精度を高めます。さらにSPECT/CTとしては、ルーチン検査におけるアイソトープ(放射線同位元素)の※定量計測を実現し、治療効果などを判断するためのより確かな情報が得られます。

※ 体内に投与した放射性医薬品から放出されるガンマ線を検出し、その分布を画像化したもの。

SIEMENS社製 Symbia Intevo6

核医学検査の流れ

検査予約

外来にて検査の予約をします。

検査当日

静脈注射し数分から数時間お薬が体に行き渡るまでお待ちいただきます。
放射性医薬品の有効期限は極めて短いため、検査当日の朝に届いた薬をその日のうちに使用しなければなりません。
多くの場合が静脈から注射しますが、カプセルを飲んでいただいたりガスを吸入していただく事もあります。

検査時間

撮影は約20~50分程度寝ているだけの簡単な検査です。心臓の負荷検査では自転車をこいでいただくことがあります。

検査結果

検査結果は後日、主治医の先生から説明があります。

注意事項

  • 検査をキャンセルされる場合は検査前日の正午までにご連絡ください。
  • 連絡なしまたは当日キャンセルはお薬代をいただく場合があります。
  • 妊娠中の患者さまは検査を受けられない場合があります。
  • お薬は尿によって排出される物がほとんどですので検査後は水分を十分摂取してください。

代表的な核医学検査について

核医学検査の代表的な検査として、心筋シンチグラフィ、骨シンチグラフィ、脳血流シンチグラフィがあります。

1 心筋シンチグラフィー

全身に血液を送り出す働きを持ってる心臓には強靱な筋肉(心筋)があります。これを動かすために酸素をたくさん含んだ血液を必要とします。心筋に血液を運ぶ血管が冠動脈といわれる心臓の血管です。この血管が細くなったり詰まったりして心臓の動きが悪くなったりすると死に至る場合があります。心筋シンチでは心臓の病気の有無や程度を調べるために行います。

心筋への血液の流れを調べます

心筋への血液の流れ具合をみて虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)について調べたり、心筋のエネルギー代謝や交感神経の働きをみたり、壊死の部分を確認したりできます。
さらに、解析により今後5年間で心事故(心筋梗塞など)に遭う確率なども調べられます。

心臓に負荷をかけて検査をします

普段気づきにくい症状を見つけるために負荷検査を行います。
普通に静かにしていれば何でも無いのに、走ったり階段を昇ったりすると胸が痛くなるなど心臓に異常が現れる場合があります。そこで自転車を漕いでいただいたり、薬剤を用いて意図的に心臓に少し負担をかけた検査を行います。そして、安静にしたときと負荷をかけたときを比較して病変を探します。

2 骨シンチグラフィ

骨シンチグラフィーは骨シンチとも略され、核医学検査の中でもよく行われる検査です。この検査では骨の形に変化が見られない病変や骨折などを写し出す事が出来るのが特徴です。病変や骨折の部位に特にとりこまれるお薬を用いて写真をとり、その部分が濃く写し出されることで病変が分かります。

骨シンチグラフィーでわかること

  • 病変部位がどこにあるか分からないとき全身を検査して探すことが出来ます
  • 骨の炎症や骨折などの病変の程度を調べます
  • 骨に転移しているか調べます
  • 骨疾患の治療効果の程度を調べます

3 脳血流シンチグラフィー

脳は、血流により運ばれたブドウ糖や酸素を使って活動しており、正常に機能するためには十分な血流が必要です。多くの脳の病気は血流の異常を伴っています。脳血流シンチグラフィーは血流のわずかな変化を見つけるための検査です。脳梗塞、てんかん、認知症などの病気の診断に有効です。
検査によってはお薬で血流量を増やし(負荷検査)脳循環予備能を評価することでバイパス手術の適応か否かの鑑別にも役立ちます。

●脳梗塞患者さまの症例

安静時
負荷時

●認知症患者さまの症例

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