企業長あいさつ
新年度のごあいさつ
企業長・院長 宮地 正彦
2023年度は開院10周年の節目の年でした。日本で初めて自治体主導で二つの自治体病院が統合して、当院が作られました。統合に至る苦しみ、統合に向けた厳しい道のり、統合後の不安と将来へ開けた希望など、様々な思いを知り、これまでの10年を振り返る1年でもありました。多くの方々に種々のイベントにご参加いただき、当院の職員も地域の方々と触れ合うことができました。
2013年5月1日の開院から紆余曲折はありましたが、地域の皆さまに支えられながら、当院は着実に成長し、地域医療に大いに貢献できるようになりました。
2020年初頭から世界中を席巻した新型コロナウイルス感染症も2023年5月8日から「5類感染症」に移行し、特例臨時接種も本年3月31日をもって終了いたしました。このコロナ禍において私たちは多くのことを経験し、多くのことを学びました。私たちはコロナ感染禍における厳しい状況に対応しつつ、病院の機能を向上させ、中東遠圏域だけではなく、静岡県全体の重症感染者を受け入れ、治療してきました。静岡県は新型コロナウイルス感染による死亡率が低く、中東遠圏域では県内でも死亡率が低く抑えられました。この経験を活かし、今後に起こり得る新興感染症への対策を引き続き地域ぐるみで進めていきます。
中東遠圏域ではがん患者の30%ほどが他の圏域で治療されています。消化器がんの患者さまの診療を行っていた私としては、ぜひ中東遠圏域でがん患者さまを治したいという強い思いから、がん診療を強化していく一環として、『地域がん診療連携拠点病院』の指定を受けたいと考え、この5年間に緩和ケア外来、がん相談支援センター、がん・緩和ケア支援センターの開設などを行い、がん患者さまに多種のサポートを提供できる体制を整えてきました。このことが評価され、2023年4月に中東遠圏域で磐田市立総合病院に次いで、同一圏域内では複数病院の指定を受けることが極めて難しい『地域がん診療連携拠点病院』の指定を受けました。
また、体に優しいロボット支援手術を中東遠圏域で最も早く導入し、ロボット支援手術を前立腺癌、大腸癌、子宮癌、腎臓癌に対して行い、昨年度は手術例も100例ほどまでに増加しました。
今年度は抗癌剤治療を行う際に、患者さま個別のがん治療を行うことを可能とする「がんゲノム医療」を行う体制を整えていきます。
最近はがんを併発される高齢者の方が増加しています。このような方々には手術、抗癌剤治療が難しいことがあり、当院では2年後に最新鋭の放射線治療機器2台の導入を予定しています。これらの治療機器はがん病巣をピンポイントで治療でき、がんを消失させることができます。手術、抗癌剤、放射線治療を組み合わせた、がん治療をさらに強化していきます。
がん患者さまの身体的だけではなく、精神的なケアも必要なため、昨年10月に緩和ケア病床を開設し、多くの方々を在宅での医療へと繋げることができました。緩和ケア病床は病院と在宅医療を繋ぐことにも役立つと考えています。在宅医療と連携した、より質の高い、患者さまに寄り添った緩和ケア医療を行っていくつもりです。また、がん患者さまの社会生活をサポートすることも重要だと考え、開設したがん相談支援センター、がん・緩和ケア支援センターも、年々利用される方が増えてきています。
がん治療だけでなく、当院はPET検査ができることから、認知症の新たな治療を行うことができます。当院の人間ドックでは現在、アンケート調査によってレビー小体型認知症を早期に発見し、治療につなげることができています。今後は、PETを利用した人間ドックでの認知症診断も行う予定です。
最近増加してきている不整脈治療にも注力し、不整脈に対してのカテーテル治療も最新の機器を導入し、治療件数も増加しています。不整脈治療を行うことで脳梗塞の予防にも繋げることができています。
今後の医療は疾病を予防すること、早期に異常を見つけて対応することが最も大切だと考えます。人間ドックでの定期的な健診が重要です。受診者さまの利便性を高めるために健診時間が短くなるように様々な工夫をすることで、従来最大4時間以上かかっていた健診が現在は最短2時間ほどで終了します。画像系の検査を全て二重チェックとすることで健診の質が高まりました。異常な病態、対処法の説明を二次元コードやアプリを利用し、受診者さまがいつでも専門医の説明を見聞きでき、さらに受診者さま本人だけではなく、家族の方も見ることができます。また、がんの検診も強化したことで、早期がんの発見件数が増加し、早期の根治治療に結びついています。
さらに、現在行っているアンケートによるレビー小体型認知症の早期発見・早期治療に加え、アプリを利用してうつ症の自己診断・自己コントロールを行い、自殺願望の抑制にも繋げていきたいと考えています。
今後も病院が統合し、新たに得ることのできた能力を生かして、ファーストペンギンになることを恐れず、多くの改革を積極的に進め、地域医療の安全性、質の向上に努めていきたいと思います。地域の皆さまからの温かいご支援や医療機関の皆さまの励ましが我々に勇気を与えてくれました。この場をお借りして心からお礼を申し上げます。
これからも地域住民の皆さま、そして医療関係者の皆さまに支えられながら、職員一同、全力を尽くしてまいります。引き続き、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
2013年5月1日の開院から紆余曲折はありましたが、地域の皆さまに支えられながら、当院は着実に成長し、地域医療に大いに貢献できるようになりました。
2020年初頭から世界中を席巻した新型コロナウイルス感染症も2023年5月8日から「5類感染症」に移行し、特例臨時接種も本年3月31日をもって終了いたしました。このコロナ禍において私たちは多くのことを経験し、多くのことを学びました。私たちはコロナ感染禍における厳しい状況に対応しつつ、病院の機能を向上させ、中東遠圏域だけではなく、静岡県全体の重症感染者を受け入れ、治療してきました。静岡県は新型コロナウイルス感染による死亡率が低く、中東遠圏域では県内でも死亡率が低く抑えられました。この経験を活かし、今後に起こり得る新興感染症への対策を引き続き地域ぐるみで進めていきます。
中東遠圏域ではがん患者の30%ほどが他の圏域で治療されています。消化器がんの患者さまの診療を行っていた私としては、ぜひ中東遠圏域でがん患者さまを治したいという強い思いから、がん診療を強化していく一環として、『地域がん診療連携拠点病院』の指定を受けたいと考え、この5年間に緩和ケア外来、がん相談支援センター、がん・緩和ケア支援センターの開設などを行い、がん患者さまに多種のサポートを提供できる体制を整えてきました。このことが評価され、2023年4月に中東遠圏域で磐田市立総合病院に次いで、同一圏域内では複数病院の指定を受けることが極めて難しい『地域がん診療連携拠点病院』の指定を受けました。
また、体に優しいロボット支援手術を中東遠圏域で最も早く導入し、ロボット支援手術を前立腺癌、大腸癌、子宮癌、腎臓癌に対して行い、昨年度は手術例も100例ほどまでに増加しました。
今年度は抗癌剤治療を行う際に、患者さま個別のがん治療を行うことを可能とする「がんゲノム医療」を行う体制を整えていきます。
最近はがんを併発される高齢者の方が増加しています。このような方々には手術、抗癌剤治療が難しいことがあり、当院では2年後に最新鋭の放射線治療機器2台の導入を予定しています。これらの治療機器はがん病巣をピンポイントで治療でき、がんを消失させることができます。手術、抗癌剤、放射線治療を組み合わせた、がん治療をさらに強化していきます。
がん患者さまの身体的だけではなく、精神的なケアも必要なため、昨年10月に緩和ケア病床を開設し、多くの方々を在宅での医療へと繋げることができました。緩和ケア病床は病院と在宅医療を繋ぐことにも役立つと考えています。在宅医療と連携した、より質の高い、患者さまに寄り添った緩和ケア医療を行っていくつもりです。また、がん患者さまの社会生活をサポートすることも重要だと考え、開設したがん相談支援センター、がん・緩和ケア支援センターも、年々利用される方が増えてきています。
がん治療だけでなく、当院はPET検査ができることから、認知症の新たな治療を行うことができます。当院の人間ドックでは現在、アンケート調査によってレビー小体型認知症を早期に発見し、治療につなげることができています。今後は、PETを利用した人間ドックでの認知症診断も行う予定です。
最近増加してきている不整脈治療にも注力し、不整脈に対してのカテーテル治療も最新の機器を導入し、治療件数も増加しています。不整脈治療を行うことで脳梗塞の予防にも繋げることができています。
今後の医療は疾病を予防すること、早期に異常を見つけて対応することが最も大切だと考えます。人間ドックでの定期的な健診が重要です。受診者さまの利便性を高めるために健診時間が短くなるように様々な工夫をすることで、従来最大4時間以上かかっていた健診が現在は最短2時間ほどで終了します。画像系の検査を全て二重チェックとすることで健診の質が高まりました。異常な病態、対処法の説明を二次元コードやアプリを利用し、受診者さまがいつでも専門医の説明を見聞きでき、さらに受診者さま本人だけではなく、家族の方も見ることができます。また、がんの検診も強化したことで、早期がんの発見件数が増加し、早期の根治治療に結びついています。
さらに、現在行っているアンケートによるレビー小体型認知症の早期発見・早期治療に加え、アプリを利用してうつ症の自己診断・自己コントロールを行い、自殺願望の抑制にも繋げていきたいと考えています。
今後も病院が統合し、新たに得ることのできた能力を生かして、ファーストペンギンになることを恐れず、多くの改革を積極的に進め、地域医療の安全性、質の向上に努めていきたいと思います。地域の皆さまからの温かいご支援や医療機関の皆さまの励ましが我々に勇気を与えてくれました。この場をお借りして心からお礼を申し上げます。
これからも地域住民の皆さま、そして医療関係者の皆さまに支えられながら、職員一同、全力を尽くしてまいります。引き続き、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和6年4月1日
企業長・院長 宮地 正彦
企業長・院長 宮地 正彦