平成29年度 中東遠総合医療センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

【定義】
 中東遠総合医療センターを退院した患者さんの年齢を10歳刻みで集計しています。

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1108 266 327 574 767 1111 2487 2996 2605 820
 掛川市及び袋井市をはじめとする中東遠地域の基幹病院として質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。
 特に60歳以上の患者さんの占める割合が6割を超え、症状が比較的重症になりやすい高齢者の入院が多くなっています。
 また、一方で周産期医療や小児疾患の診療が多いことも特徴の一つと言えます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

【定義】
 DPCでは入院患者さんの情報は病名と治療方法(手術や処置など)によって分類されます。診療科ごとに症例数上位5つの診断群分類について集計しています。
●DPCコード    
 診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されるので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
●DPC名称    
 どのような病気と治療方法で分類されているかを表します。
●平均在院日数(自院)    
 当院の在院日数の平均値です。
●平均在院日数(全国)    
 厚生労働省より公表されているH29年度DPC病院の在院日数の平均値です。
●転院率    
 該当する症例数のうち、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。
●患者用パス    
 検査や治療ごとにスケジュール表を利用して、医療の内容を標準化したものです。患者用パスにつきましては、準備が整い次第公表させていただきます。


総合内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 75 17.28 20.83 36 86.73
100380xxxxxxxx 体液量減少症 36 8.89 9.16 13.89 73.72
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 23 13 12.34 13.04 77.7
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 16 11.31 14.27 0 58.94
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし A-DROP スコア2 13 8.15 15.12 0 83
 総合内科で最も多い症例は、誤嚥性肺炎となっています。  
 3番目の尿路感染症は重症度や症状の違いなどから、「上部尿路感染症」と「下部尿路感染症」に分類されています。原因の病原体としては、大腸菌が最も多く、それ以外ではほとんど腸内細菌です。これは尿道と肛門が近いことが影響しています。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 54 20.81 14.27 9.26 61.09
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 あり 85歳未満 15 15.4 15.87 0 75.53
100060xx99x100 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 - - 13.34 - -
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 - - 14.63 - -
100070xx97x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術あり 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 - - 20.5 - -
 糖尿病・内分泌内科で最も多い症例は、2型糖尿病です。糖尿病慢性合併症の予防にはいうまでもなく良好な血糖コントロールを維持することが基本です。  
 当科では実効性を高める独自の論理的な治療、療養方法を開発しました。また、糖尿病診療はチーム医療であることが非常に重要です。看護師、栄養士等と密に協同作業を行うことで、患者それぞれのQOLを重視したオーダーメードの診療を行っています。  
 各診療科入院の患者で糖尿病を有する人が非常に多くなっています。周術期、感染症、心血管疾患急性期、癌化学療法等において血糖コントロールは重要であって治療の成否に関わります。当科では院内LUNシステムを活用することで、患者のさまざまな状況に対応し、きめ細かな血糖コントロールを行っています。各診療科医師が血糖コントロールを気にせずそれぞれの科の診療に専念できることを目標としています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 17.72 20.83 44.83 85.97
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 11.57 12.23 14.29 68.04
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 3.73 8.5 0 69.09
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 21 14.14 14.55 4.76 63.9
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 20 8.9 7.35 0 50.6
 腎臓内科の入院症例は、慢性糸球体腎炎・急性腎機能障害の治療、慢性腎不全患者の管理と透析導入が中心となります。  
 慢性腎不全の患者さんには、ご自分に合った透析療法 (血液透析か腹膜透析のいずれも導入を行っている)を選んでいただきます。 血液透析であれば内シャント設置術、 腹膜透析の場合には、カテーテル挿入術を当科で行っています。 退院後の維持透析は他院に紹介がほとんどを占めています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 27 23.89 16.48 0 75.7
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 17 61.29 40.97 0 75.53
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等2 5あり 13 49.46 24.7 0 71.08
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 12 36.17 33.42 0 70.5
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし - - 21.28 - -
 血液内科で多い疾患は、急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などです。  
 専門性が高いので、必要な場合は大学病院等の他施設へ紹介します。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 29 16.86 16.38 37.93 62.55
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 20 7.55 6.32 5 53.8
010155xxxxx2xx 運動ニューロン疾患等 手術・処置等2 2あり 19 11.37 17.26 0 61.95
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 3、4又は5 11 24.91 20.2 54.55 72.45
010080xx99x00x 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 10 13.8 9.99 0 52.1
 神経内科で最も多い症例は睡眠時無呼吸症候群の検査入院ですが、DPC対象疾患ではないため、上記の表には出ていません。  
 次に多い症例は、脳梗塞となります。脳神経外科と連携して診療を行っています。  
 3番目のてんかんは、突然意識を失って反応がなくなるなどの「てんかん発作」をくりかえし起こす病気ですが、その原因や症状は人により様々で、乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発病する可能性があり、患者数も1000人に4人~8人(日本全体で65万~90万人)と、誰もがかかる可能性のある病気のひとつです。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 96 18.45 20.83 29.17 85.12
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 89 2.97 3.59 1.12 70.92
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 83 18.93 19.65 9.64 74.58
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 68 10.24 11.99 2.94 71.01
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 53 10.4 9.14 33.96 52.13
 呼吸器内科では、肺癌および肺炎の症例が多くなっています。肺癌に関しては、気管支鏡検査を目的とした検査入院が最も多く、抗癌剤治療、放射線療法、緩和医療の入院も多数受け入れさせて頂いています。当院では、肺癌の手術を再開しており、今後さらに肺癌の患者さんの比率が増えると見込まれます。  
 間質性肺炎も多くなっています。間質性肺炎とは、一般的な細菌などによる肺炎と違い、治療にステロイドや免疫抑制剤を使用する難しい疾患であり、入院が必要となる場合が今後も多いと考えます。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 67 11.28 10.61 1.49 72.54
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 39 7.67 7.87 0 60.59
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 12.53 10.71 10.53 73.89
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2 なし 33 10.82 8.73 0 74.06
060350xx99x00x 急性膵炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 14 11.5 0 54.61
 消化器内科には、消化器病学会指導医専門医・消化器内視鏡学会専門医・肝臓学会専門医が在籍し、食道・胃・十二指腸などの上部消化管疾患や、大腸・直腸などの下部消化管疾患、肝臓疾患や胆道・膵臓疾患まで、消化器疾患全般を広範に診療します。  
 内視鏡・内視鏡的超音波検査による、上部消化管・下部消化管のスクリーニング・精査や、腹部超音波(エコー)・CT・MRI・PET検査による、肝臓・胆管胆嚢・膵臓などのスクリーニング・精査を行い、病変の早期発見・早期治療につなげます。  
 消化器内科で最も多い症例は、胆管結石となります。胆石で胆管が詰まって炎症を起こすなどが典型的な症例で、胆管をチューブで広げる、胆石を除去するなどの治療が内視鏡を用いてもしくは経皮的に行われます。
 2番目に多い症例は憩室性疾患が挙げられます。  
 消化管の悪性疾患(癌など)で、手術治療を行わない場合(病変の深達度が浅い場合など)、内視鏡的に切除したり、抗癌剤(化学療法)や放射線照射などでの治療を行います。肝臓疾患では、ウイルス性肝炎への最新の抗ウイルス剤による根治療法や、悪性疾患への外科手術以外の治療法(ラジオ波焼灼術・エタノール注入法・肝動脈化学塞栓療法(カテーテル治療)・抗癌剤治療など)を行います。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 341 2.32 3.03 0 69.74
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 315 3.83 4.62 0.63 70.63
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 235 17.45 17.71 14.04 84.15
050050xx99101x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 191 2.74 5.04 0 66.1
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 94 13.27 12.72 2.13 66.98
 循環器内科の上位4位のうち3症例は狭心症に関連するものとなりました。近年、食生活の欧米化に伴い、わが国でも動脈硬化性疾患の増加が顕著となっており、その代表的疾患のひとつが、心筋梗塞及び狭心症です。  
 心臓の筋肉を養っている血管(冠動脈)に動脈硬化を起こし、それらの血管が狭窄および閉塞することで発症するこれらの疾患は、従来では心臓カテーテル検査を行うことが唯一の診断手段でした。当院では、心臓カテーテル検査の実施はもちろんのこと、外来にて『心臓冠動脈CT』・『心筋シンチ』等の比較的新しい技術を用いて総合的にこれらの疾患の診療にあたっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx97xxxx 静脈・リンパ管疾患 その他の手術あり 92 2.04 3.2 0 69.02
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 60 8.92 8.98 3.33 68.52
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 45 14.13 15.61 4.44 71.27
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 41 6.34 6.64 0 60.37
060150xx99xx0x 虫垂炎 手術なし 定義副傷病 なし 40 8.73 7.01 0 49.75
 外科で最も多い症例は虫垂炎になります。
 2番目は下肢静脈瘤が多く、次いで腸閉塞、結腸癌となっています。 下肢静脈瘤の治療には、低侵襲のレーザー治療を積極的に導入しています。 消化器外科領域では、5名の日本消化器外科学会専門医(うち3名は指導医も兼任)を中心に、国民の高齢化と食生活の欧米化により近年急速に増加している消化器癌の治療に、特に力を入れています。 
 結腸・直腸癌、胃癌には低侵襲の腹腔鏡手術を積極的に導入しており、結腸・直腸癌では半数以上の症例に対し腹腔鏡による手術を行っています。また、DPC上位には反映されていませんが、膵癌をはじめとする肝胆膵領域の難治癌や、近接臓器浸潤・遠隔転移を伴う大腸癌などの進行癌に対する手術にも積極的に取り組み、抗癌剤と手術を組み合わせた集学的治療も行っています。
 さらにスタッフの充実により、乳癌の症例数も増加傾向にあり、今後乳癌の診療にもより一層力を入れていく方針です。
人工透析外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
180040xx01x0xx 手術・処置等の合併症 内シャント又は外シャント設置術等 手術・処置等2 なし 14 3.14 12.41 0 69.71
180040xx02x0xx 手術・処置等の合併症 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし - - 3.35 - -
180040xx97x0xx 手術・処置等の合併症 その他の手術あり 手術・処置等2 なし - - 15.25 - -
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし - - 19.01 - -
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 8.5 - -
 人工透析外科は、維持透析管理とvascular accessに対する治療が診療の中心です。
 入院患者に関しては、Vascular accessに生じる様々な問題(狭窄・瘤形成・Graft感染等)に対し外科的治療が中心となっており、vascular accessの造設・再建においては、可能な限り自己血管による作成に努めています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 229 21.87 27.09 72.05 84.21
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 56 2.3 5.21 0 49.32
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 49 14.51 17.28 8.16 71
070350xx97xxxx 椎間板変性、ヘルニア その他の手術あり 43 15.07 16.53 2.33 52.4
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 41 21.27 23.14 0 68.22
 整形外科では、大腿骨近位端骨折の人工骨頭挿入術・骨折観血的手術等による治療が最も多くなっています。  
 高齢者の患者さんが転倒などで大腿骨を骨折した場合、在院日数が比較的長くなることが多いですが、積極的に手術を行い、早期リハビリを行っています。 高齢の患者さんの多くが手術後に継続リハビリを目的として、リハビリ治療をより専門とする病院に転院されることも多く、転院率が高い状況になっています。
 次いで、脊椎の圧迫骨折や脊柱管狭窄といった脊椎の外傷、疾患も高齢者に数多く見られます。CTやMRIの導入により、より迅速な診断と治療選択が可能になっています。高齢者においても手術療法により、早期に地域生活へ復帰し、生活自由度を落とさないように心がけています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 94 8.81 9.68 10.64 77
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 92 16.63 16.38 39.13 72.62
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 75 21.8 19.1 64 71.71
010040x199x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 48 20.63 21.36 75 74.75
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 43 6.51 7.34 13.95 58.42
 脳神経外科で最も多い症例は、急性硬膜下血腫や脳出血が挙がっています。急性硬膜下血腫は外傷直後に血腫が急速に大きくなり脳を圧迫して意識障害などの症状を起こします。
  脳出血は脳内の血管が何らかの原因で破れ、脳のなか(大脳、小脳および脳幹(のうかん)の脳実質内)に出血した状態をいいます。そのために意識障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れます。
 2番目には脳卒中の急性期病変、特に脳梗塞のエダラボン(ラジカット等)による治療の症例が最も多くなっています。
 脳梗塞が起きると梗塞巣(死んでしまった脳細胞)から細胞を傷つける作用のあるフリーラジカル(活性酸素の一種)がたくさん出てきます。ラジカットはフリーラジカルを除去して 梗塞巣のまわりの細胞が傷つかないようにします。その結果、脳梗塞の症状が悪化するのを防ぎます。
 脳梗塞発症後24時間以内に投与を開始すると最も有効なため、適応は発症後24時間以内になっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 159 6.3 6.18 1.26 0
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 82 4.52 5.94 3.66 1.77
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 62 9.48 11.49 0 0
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2 なし 47 4.09 3.91 0 1.85
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 45 5.09 5.7 0 2.64
 小児科では1番多いのは早産児や新生児黄疸が該当する症例が挙がっています。帝王切開時には産科医と協力して小児科医が立会い、必要な場合には正常分娩の立会いも行います。  
 肺炎や急性気管支炎、気管支喘息といった小児呼吸器疾患の症例も多くなっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 95 10.12 9.75 0 33.31
12002xxx03x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮内膜掻爬術 手術・処置等2 なし 29 2.14 2.55 0 53.14
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮筋腫摘出(核出)術 腟式等 手術・処置等2 なし 29 3 3.25 0 41.24
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 29 4.52 4.98 0 60.72
120140xxxxxxxx 流産 27 1.93 2.43 0 34.67
 産婦人科で最も多い症例は、「胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等」となりますが、全ての症例が既往帝王切開後妊娠(前回帝王切開による出産の患者さん)に対する帝王切開を行っています。  
 2番目から4番目は子宮頚・体部の悪性腫瘍の症例です。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 92 7.09 7.31 2.17 72.61
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 83 6.45 5.75 1.2 63.4
110070xx99x20x 膀胱腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 37 10.84 11.31 0 73.46
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 28 16.04 12.92 0 68.96
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 22 13.36 12.34 4.55 72.27
 泌尿器科で最も多い手術症例は、膀胱腫瘍に対する経尿道的切除術の症例です。膀胱腫瘍の診断と治療を兼ねる手術です。深達度が浅ければこの手術を実施後に薬剤の膀胱内注入療法を行う場合があり、深達度が深ければこの手術の後に膀胱全摘除術を行う場合がありますが、この際には抗癌剤治療を併用して行う場合があります。  
 2番目に多い手術症例は尿管結石や腎結石など尿路結石の症例です。当院には非常に先進的なレーザー機器や腎盂尿管鏡があり砕石効果も高いため、適応症例に対しては積極的に砕石術を行っています。
 さらに、当院には最先端の手術支援ロボット「ダヴィンチ」が導入され、平成30年度はこれを用いた前立腺癌の手術症例が増加しました。これまでに実施した症例でも、大きな合併症も認めず安全に症例を積み重ねてきており、今後も多くの症例がすでに予定されているのが現状です。今後も前立腺癌症例の増加が予測され、手術適応症例に対しては積極的に実施していきたいと考えています。
 手術以外の症例では、膀胱癌で診断時から遠隔転移を認める症例や、手術後に再発してきた症例に対する抗癌剤治療も比較的多く行っています。また、ADLの低下した高齢者の尿路結石や排尿障害を原因とした重症尿路感染症の症例も、高齢化社会や地域性を反映して増加する結果となりました。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 41 8.61 11.73 0 65.02
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 39 7.64 8.95 0 68.97
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 4.5 3.58 0 49.56
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2 なし - - 4.01 - -
080011xx970xxx 急性膿皮症 手術あり 手術・処置等1 なし - - 17.95 - -
 皮膚科で最も多い症例は、蜂窩織炎です。蜂窩織炎は毛穴や傷口から黄色ブドウ球菌などの細菌が入り込んで皮膚の深いところから化膿してしまう感染症です。  
 2番目の帯状疱疹は、体の片側に起きる強い痛みと、痛みがある部分にできる帯状の赤み、ブツブツ、水ぶくれが特徴の病気で、子どもの頃にかかることの多い「水ぼうそう」のウイルスが原因で起こります。発症は幅広い年代でみられますが、特に高齢の方で多く、患者さんの約70%は50歳以上の方です。  
 3番目は急性薬物中毒やマムシ咬傷となります。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 61 5.69 5.48 0 44.26
030428xxxxxxxx 突発性難聴 55 9.05 9.18 0 59.13
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 53 7.85 8.01 0 17.11
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 48 4.48 5.15 0 64
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 42 8.95 9.45 0 52.1
 耳鼻いんこう科で最も多い症例は、急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍といった咽喉等の急性炎症性疾患です。抗生剤や消炎鎮痛剤の内服治療を行いますが、炎症所見や咽頭症状が強い場合は点滴治療を行うこともあります。  
 2番目に多い症例は、突発性難聴です。ステロイドやプロスタグランディンといった薬剤を点滴して治療を行います。静岡県では公的補助の対象となります。  
 3番目に多い症例は、慢性扁桃炎に対して手術を行う症例です。手術は全身麻酔下に口蓋扁桃手術(摘出)やアデノイド切除術を行います。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

【定義】
 5大癌と呼ばれている胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発のUICC病期分類別、および再発に分けて集計しています。

●UICC病期分類
 国際対がん連合(UICC)によって定められた①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つの要素によって癌をStageⅠ(早期)~StageⅣ(末期)の4病期に分類するものです。

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 52 18 15 71 21 1 7,6
大腸癌 29 32 52 55 - 22 1 7,6
乳癌 29 18 - - - 1 7,6
肺癌 - - 26 144 55 1 7,6
肝癌 - - - 20 - 28 1 7,6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院は消化器内科・外科では胃癌、大腸癌、肝癌の患者さんを、呼吸器内科・外科では肺癌の患者さんを多く診療しています。  
 胃癌や大腸癌は早期であるStageⅠ、Ⅱに対して侵襲の少ない内視鏡的治療や腹腔鏡下手術を行う割合が高くなっています。また、StageⅢ、Ⅳの患者さんの数も多く、手術や化学療法など患者さんの状態に合わせた幅広い治療を実施しています。  
 乳癌は乳房腫瘤の自覚や検診マンモグラフィーの普及により、早期発見される症例も増えてきています。その結果、StageⅠ、Ⅱが大半を占める状況となっています。  
 肺癌は診断された時点でStageⅣであることが多い癌です。化学療法や、特定の遺伝子を有していた場合には遺伝子に合わせて分子標的治療薬を使用する場合もあります。  
 肝癌は治療後に再発することが多い病気です。当院の患者さんも肝癌初発治療後の再発として入院治療される方の割合が多いことが分かります。  
 なお、UICC病期分類が不明に分類されている症例については、入院中に検査結果が出ていなかったり、当該入院中の情報だけでは病期分類ができていないなどが挙げられます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

【定義】
  成人の市中肺炎の患者さんの人数を重症度別に集計しています。重症度はA-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で表記しています。
 ①男性≧70歳、女性≧75歳
 ②BUN≧21㎎/dLまたは脱水あり
 ③酸素飽和度≦90%
 ④意識障害(肺炎に由来する)
 ⑤血圧(収縮期)≦90mmHG
 1項目該当につき1点。軽症:0点 中等度:1~2点 重症:3点 超重症:4~5点。(ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。)不明:不明が1つでもある場合は不明となります。

●市中肺炎
 普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。
●平均在院日数
  病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 34 10.44 57.68
中等症 180 13.47 79.36
重症 44 20.45 83.84
超重症 23 24.09 84.17
不明 - - -
 患者数が最も多いのは中等症ですが、重症度が上がるごとに平均在院日数が延び、治療に日数がかかっていることが分かります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

【定義】
 脳梗塞の患者さんを発症から「3日以内」と「その他」に分けて集計しています。

●平均在院日数
 病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
●転院率
 該当する症例数のうち、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 366 19.9 74.39 40.62
その他 23 22.74 74.74 2.57
 特に発症から3日以内の急性期脳梗塞が集計対象全体の9割を占めています。急性期脳梗塞では、脳血管内手術に力を入れ、血栓除去療法や血管形成術を施行しています。
 近隣の病院とのネットワークを構築して、この中東遠地域での急性期脳梗塞治療拠点病院を確立していきます。 tPA静注療法のみならず、緊急脳血管内手術との2段階方式にて、急性期脳梗塞に立ち向かい、大きな成果をあげております。
 急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は75歳に近く、高齢の方が多くなっています。平均して20日間程度の入院期間で治療とリハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られるか、半数ほどの患者さんがリハビリを専門とする病院に転院されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

【定義】
 診療科ごとの手術件数上位5つを集計しています。

●Kコード
 診療報酬点数表の診療行為のうち、手術の領域にふられたコードで、KからはじまるためKコードと呼ばれています。
●手術名称
 手術術式の名称です。同一のKコードで複数の部位が対象となる手術は、部位別に集計しています。
●平均術前日数
 入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
●平均術後日数
 手術日から退院日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
●転院率
 該当する症例数のうち、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。
●患者用パス
 検査や治療ごとにスケジュール表を利用して、医療の内容を標準化したものです。患者用パスにつきましては、準備が整い次第公表させていただきます。

腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 45 6.18 10.53 0 67.93
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 - - - - -
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
K608-3 内シャント血栓除去術 - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
 腎臓内科で多い手術は、維持血液透析のシャント管理に関する手術です。 透析導入患者のシャント設置術・シャント再建術・PTA(経皮的血管拡張術)・腹膜透析のカテーテル挿入術を行っています。  
 シャントの狭窄や閉塞が起こった場合、PTA(経皮的血管拡張術)もしくはシャント再建術を当科で行っています。  定期的なシャントの管理が重要でありシャント造影を非定期で行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 77 5.16 12.55 6.49 75.9
K654 内視鏡的消化管止血術 59 1.32 10.19 6.78 73.42
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 40 3.53 3.58 2.5 74.7
K6532 内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 33 1.06 8.76 0 74.06
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴うもの) 25 4.16 8.64 0 76.2
 消化器内科では、消化管出血、閉塞性黄疸、閉塞性胆管炎・胆嚢炎などに対して内視鏡、レントゲン透視、腹部エコーなどを活用して各種の処置を行っています。あらかじめ予定して行う処置の他、救急疾患に対する処置が数多くあり、夜間や休日を含めて対応しています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 296 1.74 2.81 2.36 70.89
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 75 0 14.49 1.33 67.69
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 61 1.84 6.7 3.28 74.02
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 46 0.07 11.72 6.52 69.22
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 42 5.55 9.36 7.14 80.62
 循環器内科では、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)に対する経皮的冠動脈ステント留置術が多く行われています。『虚血性心疾患』及び『下肢閉塞性動脈硬化症・頚動脈狭窄症といった末梢血管疾患』の治療実績については県内有数の症例数を誇っており、日本国内に於いて新規に導入される治療デバイスの試験登録施設に選定されることもあります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 124 0.27 1.13 1.61 67.35
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 92 0.04 1 0 69.02
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 82 2.55 4.88 0 63.29
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 37 3.3 12.16 2.7 71.03
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 35 0.66 4.09 0 38
 外科では鼠径ヘルニアの手術が最も多く、ついで胆石や胆嚢炎に対する胆嚢摘出術となっています。患者さまの負担を軽減するため、胆嚢摘出術はほぼ全例腹腔鏡により行っています。
 下肢静脈瘤血管内焼灼術は、下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医・指導医が在籍し治療を行っています。
 患者数上位3位までの症例数が多いために表には反映されていませんが、当科では3名の日本消化器外科学会専門医を中心に、消化器癌の手術に積極的に取り組んでいます。さほど進行していない癌に対しては、患者さまの負担軽減のため腹腔鏡手術などの低侵襲手術を導入。進行癌に対しては、他臓器合併切除や抗癌剤を併用した手術(集学的治療)により根治を目指した努力を行っています。結腸・直腸癌に対しては半数以上で腹腔鏡による低侵襲手術を行っており、胃癌に対する腹腔鏡手術症例数も増加しつつあります。肝癌や膵癌などの肝胆膵領域の難治・進行癌に対しても、根治を目指した積極的な手術を行っています。
 さらにスタッフの充実により、乳癌の症例数も増加傾向にあり、今後乳癌の診療にもより一層力を入れていく方針です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 188 1.95 15.76 59.57 79.7
K0821 人工関節置換術(股) 等 81 2.23 19.53 0 72.49
K0462 骨折観血的手術(下腿) 等 74 2.05 6.77 12.16 56.5
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(椎弓形成) 73 1.99 12.88 15.07 70.49
K0811 人工骨頭挿入術(股) 等 69 5.65 19.1 76.81 82.25
 整形外科では、高齢者の骨粗鬆症による大腿骨近位端骨折や橈骨遠位端骨折の症例に対する骨折観血的手術が多く行われています。  
 2番目の人工関節置換術(股) は変形性股関節症に対して行われます。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 82 0.8 9.13 14.63 77.38
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 32 3.53 16.44 9.38 57.13
K1781 脳血管内手術(1箇所) 28 1.64 19.11 28.57 58.54
K178-4 経皮的脳血栓回収術 16 0.44 19.19 50 73.38
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 12 6.25 18.5 8.33 60.08
 脳神経外科で最も多い手術は、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術です。慢性硬膜下血腫は外傷などにより、数週間から数ヵ月後に硬膜とくも膜の間にできた血腫によって脳が圧迫されて頭痛や運動麻痺や認知障害が発生し発見されることが多い症例です。
 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、頭蓋から血腫を洗浄除去する手術です。高齢の患者さんが多く、入院後緊急での手術となることも少なくありません。
 脳神経外科医4人とも学会の専門医であり、指導医の元に手術を行っています。
 次いで多いのが脳動脈瘤頸部クリッピング術です。
 脳動脈瘤に対する最も一般的な治療法であり、指導医の元に手術を行っています。
 3番目は脳血管内手術です。  
 脳動脈瘤や脳動静脈奇形等の血管異常に対して、血管内手術用カテーテルを用いて行う手術です。  脳外科医1人が学会の専門指導医であり、専門医が3人おります。  
 静岡県でも中核病院として脳血管手術を行っています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 12 0 6.33 25 0
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 11 0 8.18 0 0
K7151 腸重積症整復術(非観血的なもの) - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
K0051 皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) - - - - -
 小児科領域におきましては、その多くが内科的治療であることから、手術につきましては外科領域の診療科へ依頼して実施しています。  
 小児科で行われる手術としては新生児仮死蘇生術が多くあげられます。  
 新生児仮死とは、生まれたばかりで起こる呼吸・循環不全による低酸素状態になることをいいます。胎児はへその緒を通してお母さんから栄養や酸素をもらったり、二酸化炭素や老廃物を戻して処理してもらったりしています。分娩時には、へその緒を通じての呼吸が、赤ちゃん自身の肺で自発的な呼吸へと切り替わります。  
 しかし、通常なら産後30秒以内に赤ちゃんの肺に空気が入って自発呼吸が始まって大きな産声を上げるのですが、最初の呼吸が上手くいかない、あるいは循環不全で酸素が体をめぐらずに低酸素状態に陥ってしまうのです。
 救命ならびに神経障害を最小限にとどめるために速やかに蘇生措置を施す必要があり、気道吸引、皮膚刺激、酸素投与、気管挿管などを行います。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 91 4.68 7.32 0 32.96
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 69 4.58 8.32 1.45 32.42
K877 子宮全摘術 43 1.37 8.12 0 52.33
K861 子宮内膜掻爬術 37 0.7 0.3 0 53.16
K9091 流産手術(妊娠11週までの場合) 28 1.29 0.61 0 34.25
 産婦人科で多い症例は帝王切開となります。帝王切開はあらかじめ日時を決めて行う選択帝王切開と、分娩中に緊急事態が発生したために行う緊急帝王切開があります。  
 3番目の子宮全摘術は、子宮筋腫や子宮癌に対して多く行われる手術です。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 92 1.2 4.89 1.09 72.68
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 83 1.17 4.45 1.2 63.23
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 52 0 1.02 0 55.98
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 37 0.65 9.51 5.41 63.76
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 28 3.5 11.54 0 68.96
 泌尿器科で多い手術は、膀胱癌に対する膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの)となりました。次いで尿管結石や腎結石に対する経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)と体外衝撃波腎・尿管結石破砕術となりました。当院は最新鋭の体外衝撃波破砕装置を備えており、多くの結石は体外衝撃波の単独療法で可能ですが、体外衝撃波単独では治療困難な症例に対しては内視鏡手術(経尿道的腎尿管砕石術)を施行しています。当院には非常に先進的なホルミウムレーザー砕石装置および細径内視鏡が導入されており、内視鏡手術の安全性と有効性が格段に向上し砕石効果も高いため、適応症例に対しては積極的に砕石術を行っています。また、経尿道的尿管ステント留置術は、尿路結石など尿路閉塞が原因となった重症尿路感染症に対する処置の目的や外科や産婦人科の疾患に由来する尿管閉塞の解除目的に実施します。対象症例の背景から毎年一定の割合で必ず実施する処置です。さらに、当院には最先端の手術支援ロボット「ダヴィンチ」が導入され、これを用いた前立腺癌の手術件数が増加しました。導入後、コンスタントに実施症例数を積み重ねることができており、今後も前立腺癌症例の増加が予測されているため、手術適応症例に対しては積極的に実施していきたいと考えています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 616 0.3 2 0.65 76.12
K2683 緑内障手術(濾過手術) - - - - -
K2171 眼瞼内反症手術(縫合法) - - - - -
K2193 眼瞼下垂症手術(その他のもの) - - - - -
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - -
 眼科で最も多い手術は白内障に対する水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの)です。
 次いで多いのが緑内障の手術、斜視手術となっています。 その他翼状片手術や眼瞼下垂などの外眼部手術も行っていますが、外来手術で行うことが多いためDPC対象とはなっていません。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 56 1 6.04 0 20.79
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 21 0.95 5.38 0 56.67
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) 13 1.92 3.69 7.69 63.31
K333 鼻骨骨折整復固定術 11 1 1 0 18.64
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) - - - - -
 耳鼻いんこう科で最も多い手術は、口蓋扁桃手術(摘出)になります。習慣的に扁桃炎を繰り返す患者様に行います。全身麻酔下に、口の中から責任病巣である口蓋扁桃摘出します。  
 2番目に多い手術は、慢性副鼻腔炎や副鼻腔真菌症に対して行う内視鏡下鼻・副鼻腔手術です。鼻内操作で鼻と副鼻腔の間の交通路を作成し、副鼻腔内に貯留している膿や内容物を排出させます。当院ではナビゲーションシステムを用いて安全に手術を行っています。  
 3番目に多い手術は、喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの)です。ラリンゴマイクロサージェリーともいわれます。口頭の腫瘍を、顕微鏡や内視鏡を用いて経口的に切除します。腫瘍の生検(病理学的検査)目的で行うこともあります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

【定義】
 播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌症、手術・処置等の合併症の症例数と発生率を集計しています。

●DPC
 14桁あるDPCコードのうち、上6桁で集計しています。病名による分類を表しており、治療方法は分類に関連しません。
●播種性血管内凝固症候群(DIC)
 感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。治療には多額の費用がかかるため、該当する場合は高額な点数が設定されています。
●敗血症
 感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。治療には多額の費用がかかるため、該当する場合は高額な点数が設定されています。
●真菌症
 真菌による感染症です。
●手術・処置などの合併症
 手術や処置などに一定の割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。合併症はどのような手術でもどのような患者さんでも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。
●入院契機
 DPCコードにて分類される包括請求の対象となる病名(DPC病名)とは別に、入院のきっかけとなった病名(入院契機病名)がそれぞれの患者さんにつけられています。DPC病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。
 ・「同一」 きっかけとなった病名の診療目的で入院して、その病気の治療を主に行ったことを表します。
 ・「異なる」きっかけとなった病名の診療目的で入院したが、違う病気の治療を主に行ったことを表します。
 (この指標の場合は、播種性血管内凝固症候群や敗血症、手術・処置などの合併症)
●発生率
 全退院患者さんのうち、該当するDPCの患者さんの割合です。

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 37 0.28
異なる 48 0.37
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 75 0.57
異なる - -
 敗血症については、入院の契機病名と同一の場合と異なる場合が同じくらいであり、同一である症例は入院時から敗血症の状態の重篤患者が多いことがうかがえます。入院の契機病名と異なる症例は、癌や感染症で入院後も全身状態が悪化して敗血症の重症な状態になってしまった症例です。  
 手術・処置等の合併症については、多くがDPC病名と入院契機病名が同一である症例でした。つまり、手術・処置などの合併症を主訴として入院され、治療を受ける入院患者さんが多いということです。  
 手術・処置の合併症にあたる症例としては、透析シャント閉塞及び狭窄が34件、胃や大腸の内視鏡的治療後の消化管出血が9件、人工股関節脱臼が7件などとなっています。
更新履歴
2018.9.28