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退任のご挨拶

2017年3月31日

企業長兼院長 名倉 英一

 このたび、平成29年3月31日をもって、掛川市・袋井市病院企業団企業長を退任することとなりましたので、一言、ご挨拶申し上げます。
 掛川市立総合病院と袋井市立袋井市民病院との統合は、我が国で初めての二つの市民病院が統合する歴史的な事例です。このプロジェクトは、隣り合う中規模病院の医療資源を集約して500床の基幹病院に再編成し、急性期病床の適正化を図るという時代を先取りしたものです。 この計画に関わることができて大変、光栄に思います。
 私が掛川へ赴任したのは平成22年4月1日でした。統合新病院の院長予定者として、掛川市立総合病院院長に着任しました。 院長業務を遂行しながら3年間、新病院の開設準備にあたり、旧両病院のスタッフとともに幾多の課題を乗り越え、平成25年5月1日、無事、新病院は開院することができました。
 開院前には多くの懸念や不安がありましたが、開院後は、医療の質の向上・健全経営の確立・臨床研修機能の充実という3点を病院運営の基本に掲げて、毎年、病院全体と部署ごと、 それぞれに具体的な到達目標を設定して運営してきました。 その結果、職員の熱意と献身的な努力により、開院後、毎年、目標を達成し、ほぼ順調に推移し、以下のような成果をあげることができました。統合プロジェクトは大成功と言えると思います。
【開院時及び1年目】
 1.医師と7対1の看護が可能な看護師等を確保して許可病床500床で開院できた。
 2.災害拠点病院に指定された。
 3.開院時に救急科を増設できたことから地域の救急医療が劇的に改善された。
 4.開院直後、多くの混乱は見られたが次第に収まり、入院患者数は4カ月で病床
   利用率80%を越え、以後、順調に増加した。

【開院2年目】
 5.DPC機能評価係数Uが開院年0.0308から0.0637と一気に向上し、全国一般
   病院1406病院中108位となった。
 6.総合入院体制加算を届け出。

【開院3年目以降】

 7.開院以降の実績を基に開院3年目に救命救急センターの指定を受けた。

 8.日経ビジネス6月号掲載の「病院経営ランキング」で全国のDPC導入病院
   1798病院中22位に序される。

 9.日本医療機能評価機構の評価を受審し、高評価で認定された。

 10.人間ドック・健診センターが「人間ドック健診研修施設」に認定された。

 11.DPC機能評価係数Uが全国順位20位まで上がった。

 12.開院4年目に地域医療支援病院に認定された。


 統合の大きな目標であった医師数の確保も順調で、開院時と平成28年4月を比較すると、常勤医師は80名から99名へ、研修医は8名から19名へ増加し、他の看護師、医療技術員、事務系も増加しました。 しかし、診療科によっては依然として医師は不足しており、医療の質を向上するためには、更なる医師の確保が必要であると思われます。
 私が在任中に関わった高額医療機器導入に関しては、開院時のPET-CT設置と開院4年目の手術支援ロボット“ダヴィンチ”導入が挙げられます。 これらについては、さまざまな意見・考えがありましたが、いずれも、これからの医療の質を保つためには必ず必要になると考え、導入を決定しました。
 しかし、概ね順調であるとは言え、現在の状況は、まだまだ安定していない部署や業務もあります。今後とも、スタッフが一丸となって努力を継続することが必要と感じます。
 私は、今回の統合プロジェクトは我が国で初めての事例ですので、統合プロジェクトに関連する記録を残すことを心がけました。巻末に在任中の関連論文およびインタビュー記事等のリストを示しました。 関心のある方は参考にしていただければ、幸いに存じます。
 最後に今回の統合プロジェクトを成功に導いたすべてのスタッフと関係者に深甚なる感謝の意を表し、中東遠総合医療センターの今後のさらなる発展を心より祈念します。

在任中の関連論文およびインタビュー記事等

 1.閉院に当たって思い出すこと。五島一征。掛川市立総合病院54年の軌跡。
   pp12−13、2010

 2.「すべての人に質の高い医療を提供し、愛され、信頼される病院を
   目指して」。公益法人静岡県病院協会会報42:6−7,2014

 3.ちょっと拝見「二つの市立病院統合で地域医療再生を目指す地域中核病院
   掛川市・袋井市病院企業団立中東遠総合医療センター」。
   大塚薬報699:18−21,2014

 4.先進病院ルポ「医療機関が取り組むBCP中東遠総合医療センター」。
   エアー・リキッドJournal for hospital management.vol.01 Summer
    2014,8.1

 5.すべての人に質の高い医療を提供し、愛され、信頼される病院を目指して。
   掛川市・袋井市病院企業団立中東遠総合医療センター。
   公営企業2014:11、63−64

 6.病院紹介「掛川市・袋井市病院企業団立中東遠総合医療センター」
   全国自治体病院協議会雑誌53(4):1-6,2014

 7.日本の医療を救え、初公開病院経営力ランキング。
   日経ビジネス2015.06.01 No1793,34-38

 8.病院統合は「業務見直し」「医療のあるべき姿を考える」
   チャンスでもある−中東遠総合医療センター−。メディ・ウォッチ
   (http:/www.medwach.jp)21-22,2015.8

 9.掛川市立総合病院と袋井市立袋井市民病院との統合新病院
  「中東遠総合医療センター」の現況と課題。病院74(9):653-658,2015

 10.統合新病院「中東遠総合医療センター」の成り立ちと経営戦略。
   pp160-185、「戦略的病院経営マネジメント 財務分析・管理会計」
   井上貴裕編。東京、清文社、2016。

 11.人物アップ「地域に高水準医療を提供」。掛川市・袋井市病院企業団立
   中東遠総合医療センター企業長兼院長名倉英一氏。
   浜松情報第534号p24-26,2016.12.1

 12.2035年に生き残る病院組織論−静岡県中東遠医療圏における
   中東遠総合医療センターの果たすべき役割―。病院76(3):212-217,2017

 13.我が国で初めて2つの市民病院が統合した新病院、掛川市・袋井市病院
   企業団立中東遠総合医療センター−開院前旧病院の運営状況及び開院後
   3年間の歩みと経営戦略−。pp278-302、(in press)井上貴裕編。
   東京、清文社、2017。

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